朝と夜の水550mlで血圧と腎機能が変わる?東北大×サントリーが明かした「飲む時間帯」の科学

「水を飲む」のは当たり前に思えますが、その「タイミング」が健康に大きな差をつけることが、日本初の科学的介入研究で明らかになりました。サントリーグローバルイノベーションセンターが実施したアジア初の研究では、起床後と就寝前2時間以内に各550mlの水を12週間飲み続けるだけで、血圧低下・腎機能保持・体温調節・老廃物減少という4つの生理指標の変化が確認されています。
「何の水を飲むか」と同じくらい、「いつ飲むか」を意識する時代が来ました。
日本人の70%は水分が足りていない
厚生労働省が推奨する成人の1日水分必要量は約2.5L。うち飲料水で補うべき量は1.2〜1.5Lとされていますが、実態として日本人の約70%が十分な水分摂取をできていないとも言われています。
特に見落とされがちなのが「朝」と「夜」の2つの時間帯です。睡眠中は汗や呼気から気づかないうちに300〜500mlの水分が失われます。起床直後は1日のうちで体の水分が最も少なくなりやすいタイミングで、就寝前と起床後に水分を補うことが理にかなっているとされています。
アジア初の介入研究が示した科学的事実
研究の概要
サントリーグローバルイノベーションセンターが実施したこの研究は、50歳以上75歳未満の健康な日本人男女60名を対象に行われました。参加者はランダムに「介入群」と「対照群」に分けられ、介入群には起床後と就寝前2時間以内にペットボトルの水を各550ml(1日合計1,100ml)、12週間継続して飲用してもらいました。
研究結果は栄養学分野の国際科学雑誌「Nutrients」に採択。健常なアジア人を対象とした習慣的水分摂取の介入研究としてはアジア初の報告となります。
確認された4つの生理指標の変化

血圧の低下
収縮期血圧(上の血圧)が12週間にわたって経時的に低下しました。拡張期血圧(下の血圧)には変化がみられなかったのに対し、収縮期血圧への選択的な効果が認められた点が注目されます。水分が十分に補われることで血液の粘度が下がり、血管への負担が軽減されると考えられています。
体温調節機能の改善
体温の上昇抑制、または適切な体温維持への効果が認められました。体内の水分量は体温調節の根幹を担うミネラル輸送にも関わっており、十分な水分補給が体温調節機構をサポートします。
腎機能低下の抑制
腎臓の働きを示す指標「eGFR(推算糸球体濾過量)」は、対照群では研究期間中に低下したのに対し、介入群では低下が見られませんでした。加齢とともに腎機能はゆっくりと衰えますが、適切な水分摂取がその速度を緩やかにする可能性を示しています。
血中老廃物の減少
血液中の老廃物の指標である「尿素窒素(BUN)」が介入群で低下しました。腎臓による老廃物排泄が促進され、血液がより清浄に保たれることが示されています。
なぜ「朝と夜」なのか?メカニズムを読む
就寝前の550mlが守るもの
睡眠中、人は呼吸や発汗によって水分を失い続けます。起床時は1日のうちで体の水分が最も少なくなりやすいタイミングです。就寝前と起床後の一杯は、この睡眠中に失われる水分を前後で補うという考え方に基づいています。
起床後の550mlという習慣
起床直後は体の水分が少なくなりやすい状態です。この時間帯に水を飲むことは、睡眠中に失われた水分を補ううえで理にかなっています。「朝と夜」のタイミングは、睡眠を挟んだ水分の出入りの両端を補うという習慣として説明できます。
「水と健康」共創研究所が解き明かす次の問い
2025年4月、東北大学とサントリーグローバルイノベーションセンターは「水と健康」共創研究所を設立。2028年3月までの3年間で以下を共同研究しています。
- 食事摂取基準における水摂取の目安量作成のための基礎データ収集
- 水の摂取状況と体内水代謝の関係の解明
- 水の習慣的摂取による健康影響の科学的検証
日本では現在、たんぱく質や脂質などの栄養素には食事摂取基準が定められていますが、「水」についての目安量は科学的根拠がまだ十分に蓄積されていません。この共同研究は、「水の摂り方」を新たな科学フロンティアとして切り拓く試みです。
MIZUNOMOで「飲む水」を選ぶ

朝と夜の水分補給習慣を始めるとき、どんな水を選べばよいでしょうか。
- 軟水(硬度60mg/L以下): 口当たりが軽くクセが少ないため、起床直後に飲む水として親しみやすいタイプです。サントリー天然水(南アルプス・硬度約30mg/L)やい・ろ・は・す(硬度27〜71mg/L)がこれに当たります。
- マグネシウムを含む水: 血圧調節や筋肉機能をサポートするミネラルです。MIZUNOMOのデータベースでミネラル成分を比較できます。
- 常温で飲む: 就寝前は冷たい水より常温が胃腸に優しく、内臓への急激な刺激を抑えられます。
MIZUNOMOでは40種類以上のペットボトル水の硬度・pH・ミネラル成分を比較可能です。「朝と夜の550ml」を何の水で満たすか、データを見ながら自分だけの一本を探してみてください。
まとめ:水は「何を」より「いつ」も大切
「水は体にいい」という常識の一歩先へ——今回の研究が教えてくれるのは、「いつ飲むか」が健康の質を分けるという事実です。
- 起床後に550mlの水を飲む
- 就寝前2時間以内に550mlの水を飲む
この2つの習慣を12週間続けるだけで、血圧・腎機能・体温調節・老廃物排出の4つの指標が改善されました。特別な成分やサプリメントは不要。ただの水でこれだけの効果が科学的に示されたことは、毎日の水選びに新たな視点をもたらしてくれます。
参考リンク
監修・運営: 水野亮人(みずの りょうと)
プロフィール: iihito.jp ↗


