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地震で断水したら——給水所(災害時給水ステーション)の水の受け取り方・保存・使い分け

MIZUNOMO編集部公開 2026年8月7日読了時間 5

台風なら進路や接近時刻をある程度予測できますが、地震はほとんど予告なく断水を引き起こします。備蓄していたペットボトル水を飲みきったあと、多くの人が頼ることになるのが自治体の給水所(災害時給水ステーション)です。ここでは「地震でなぜ断水するのか」「配られる水はどんな水か」「受け取った水をどう保存し、備蓄水とどう使い分けるか」を、水道局の一次情報にもとづいて整理します。

地震はなぜ断水を起こすのか

地震による断水は、主に次のような原因で起こります。

  • 水道管(配水管・給水管)の破損:揺れや地盤のずれで管や継手が割れ、漏水・出水停止が起きる
  • 地盤の液状化・変位:埋設された管路がねじれたり抜けたりする
  • 浄水場・ポンプ場の被災や停電:水をつくり・送り出す設備が止まると、管が無事でも水は届かない

台風の断水が「濁りや停電による一時的な停止」で比較的早く復旧しやすいのに対し、地震は管路そのものが物理的に壊れるため、復旧までに数日から数週間かかることもあります。だからこそ、給水所の水を「安全に受け取り、正しく保存する」知識が役立ちます。

給水所(災害時給水ステーション)とは

大規模な断水時、自治体は避難所や公園、浄水場などに応急給水の拠点を開設します。東京都水道局は、災害時給水ステーションを「お住まいからおおむね半径2kmの距離内に1か所」として設置していると案内しています。

  • 配られるのは飲料水(塩素で消毒された水道水)
  • 成人が1日に必要な飲料水の量である3リットルを目安に給水
  • 水を入れる清潔な容器は自分で持参する必要がある

3リットルは重さにすると約3kg。手提げでは運びにくいため、東京都水道局は背負えるタイプの給水袋や、空のペットボトルとリュックサックを用意しておくことをすすめています。開設場所は自治体の防災アプリやウェブサイト、SNSで告知されるので、平時に最寄りの拠点を確認しておくと安心です。

受け取った水・くみ置き水の正しい保存

給水所の水も、家庭で蛇口からくみ置きする水も、中身は塩素で消毒された水道水です。この塩素の消毒効果を保つことが、安全に保存するコツになります。東京都水道局は次のように案内しています。

  • 容器:清潔でフタのできる容器に、できるだけ空気に触れないよう口元まで一杯に入れる
  • 常温なら3日程度/冷蔵庫なら10日程度、塩素の消毒効果が持続する
  • 煮沸や浄水器は使わない:「浄水器を通したり、沸かしたりすると、消毒用の塩素が除去されてしまいます。必ず蛇口から注ぎ、沸かさずに保存しましょう」
  • 直射日光を避ける
  • 飲むときは直接口をつけず、コップなどに注いでから(雑菌の混入を防ぐため)
  • 保存期間が過ぎた水は、トイレなどの生活用水に使う

「災害時はとにかく煮沸」というイメージがありますが、水道水(残留塩素がある水)に限っては、煮沸するとかえって塩素が抜けて保存性が落ちます。井戸水や湧き水など、塩素消毒されていない水を飲用する場合とは扱いが逆になる点に注意してください。

ペットボトル備蓄水と給水所の水の「使い分け」

備蓄したペットボトル水と、給水所でもらう水は、性質が違うので役割を分けると無駄がありません。

  • 発災直後〜給水所が開くまで:頼れるのは備蓄ペットボトル水だけ。密封されていて開栓するまで清潔なので、まずは飲用に使う
  • 給水所が開いてから:もらった水道水は飲用にも調理・生活用水にも使える。清潔な容器で持ち帰り、上記の要領で早めに使う
  • 効率的な回し方:すぐ飲める・清潔という利点を活かして備蓄水は飲用を優先し、給水所の水は調理や手洗いなどの生活用水に回すと、限られた備蓄を長持ちさせられる

普段から飲む水を少し多めに買い置きし、古いものから消費して補充する「ローリングストック」で回しておくと、いざというときの備蓄水がいつも新しい状態に保てます。備蓄用の1本を選ぶときは、MIZUNOMO 軟水ランキング(硬度の低い順)と、普段飲みしやすい口当たりの水から選べます。

乳児・高齢者・持病のある人への配慮

乳児のミルク作りや、腎臓などに持病があってミネラル摂取に注意が必要な方は、平時から自治体の防災情報やかかりつけ医の指示を確認しておきましょう。乳児用には市販の乳児用ペットボトル水を別に備えておくと安心です。給水所の水(水道水)をミルクに使う場合も、調乳は各メーカー・公的機関が示す方法(十分な温度の湯を使うなど)に従ってください。

まとめ

  • 地震の断水は管路の物理的損傷が原因で、復旧に時間がかかることがある
  • 給水所(災害時給水ステーション)は飲料水(水道水)を配る。清潔な容器を持参し、目安は1人1日3L
  • もらった水・くみ置き水は口元まで一杯・フタ付き・直射日光を避け常温3日/冷蔵10日煮沸や浄水器はNG、飲むときはコップに注ぐ
  • 備蓄水は飲用、給水所の水は生活用水と役割分担し、ローリングストックで備える

参考情報

監修・運営: 水野亮人(みずの りょうと)

プロフィール: iihito.jp ↗

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