ファミリーマート「津南の天然水」は安全?——新潟・豪雪地帯の採水地・品質管理と硬度17mg/Lの成分データ

「津南の天然水 安全性」「津南の天然水 成分」——ファミリーマートのプライベートブランド天然水として全国展開するこの商品には、「本当に安全なのか?」「どこの水源から採れているの?」という疑問が多く寄せられます。
この記事では、天然水の品質表示ガイドラインによる分類・製造元の品質管理体制・採水地情報、そしてCa5.0mg/L・Mg1.0mg/Lの成分データを解説します。コンビニPB天然水3本の比較表も収録しています。
「安全性」が気になる理由——天然水の品質表示ガイドラインを確認する
コンビニのプライベートブランド水は「メーカー品と比べて情報が少ない」と感じる方もいるでしょう。しかし「天然水」という名称は、農林水産省の品質表示ガイドラインによって分類が定められています。
農林水産省が策定した「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」では、ミネラルウォーター類を4段階に分類しています。「ナチュラルウォーター」は最も処理が制限された分類で、「天然水」と表示できる商品には以下の条件が定められています。
- 特定の水源から採水した地下水(湧水・鉱水・伏流水・温泉水)であること
- 沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の処理を行っていないこと(ナチュラルウォーターの場合)
- 水源のミネラルバランスを人為的に変えていないこと
「津南の天然水」のラベルには「天然水」と表示されており、このガイドライン上の「ナチュラルウォーター」または「ナチュラルミネラルウォーター」に分類される商品です。PB商品であってもガイドラインの適用は変わりません。
採水地と製造管理体制
「津南の天然水」は、新潟県中魚沼郡津南町秋成地区を採水地とし、株式会社クリアーウォーター津南が製造しています。同社は食品安全マネジメント国際規格FSSC22000の認証を取得しており、工程管理の体制が第三者機関によって審査されています。
採水地の新潟県津南町は、国土交通省の「水の郷百選」に認定されています。これは「良好な水環境が保全されている地域」を選定する制度で、地域の水環境保全の取り組みを評価するものです(個別商品の安全性を証明するものではありません)。
苗場山系と津南町——採水地の地理的特徴

新潟県中魚沼郡津南町は、日本有数の豪雪地帯として知られています。採水地は「津南町秋成地区」と特定されており、苗場山(標高2,145m)を水源とする「苗場山系天然水」として採水されています。
津南町の地理的背景
津南町は信濃川(千曲川)の上流に位置し、日本有数規模の河岸段丘(河川の侵食によって形成された階段状の地形)が広がる地域です。毎冬3〜4メートルを超える積雪をもたらす豪雪地帯で、春から夏にかけての豊富な雪解け水がこの地域の水環境の特徴です。
成分データ(Ca 5.0mg/L・Mg 1.0mg/L)から計算される硬度17mg/Lは、日本国内のペットボトル水としても低い値に属します。この超軟水という特性が「津南の天然水」の商品的な特徴です。
成分データを数字で見る——Ca・Mg・Na・K・硬度・pH
「津南の天然水」の成分を数値で確認します。
| 成分 | 含有量(mg/L) |
|---|---|
| カルシウム(Ca) | 5.0 |
| マグネシウム(Mg) | 1.0 |
| ナトリウム(Na) | 3.0 |
| カリウム(K) | 1.0 |
| 硬度 | 17mg/L |
| pH | 7.0(中性) |
成分データはMIZUNOMO調べ(単位はすべてmg/L)。硬度の検算: Ca×2.497 + Mg×4.118 = 5.0×2.497 + 1.0×4.118 ≈ 16.6mg/L(公表値17と一致)。
カルシウム・マグネシウムの含有量と食事摂取基準への寄与率
カルシウムとマグネシウムは、食品表示基準 別表第11に定められた栄養素です。
カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。(食品表示基準 別表第11)
「津南の天然水」1Lあたりのカルシウム含有量は5.0mg。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」による18〜29歳男性の推奨量(800mg/日)に対する寄与率は0.6%です。
マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つのに必要な栄養素です。(食品表示基準 別表第11)
マグネシウムの寄与率は1.0mg ÷ 340mg(18〜29歳男性推奨量)= 0.3%。
これらの数値が示すように、「津南の天然水」は「カルシウム・マグネシウムを積極的に補給するための水」ではありません。水だけで食事摂取基準を満たすことは現実的でなく、食事全体でバランスよく摂取することが基本です。
この水の本来の価値は、超軟水としての軽い飲み口と安定した品質・コンビニでの入手性にあります。
コンビニPB天然水3本の採水地・硬度比較
コンビニで手に入る代表的なPB天然水と並べると、「津南の天然水」の特徴が鮮明になります。

| ブランド | 採水地 | 硬度(mg/L) | Ca | Mg | Na | pH | 内容量 | 参考価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 津南の天然水(ファミマ) | 新潟県津南町・苗場山系 | 17(超軟水) | 5.0 | 1.0 | 3.0 | 7.0 | 600ml | 118円 |
| セブンプレミアム天然水(長野) | 長野県北安曇郡・北アルプス系 | 40(超軟水) | 11.2 | 3.1 | 4.0 | 7.0 | 550ml | 108円 |
| 霧島の天然水(ファミマ) | 宮崎県霧島山系 | 140(中硬水) | 29.0 | 17.0 | 25.0 | 6.9 | 600ml | 118円 |
※成分はすべてmg/L(1Lあたり)。成分データはMIZUNOMOデータベース調べ。価格は税込参考価格。
この比較から3つのことが読み取れます。
1. コンビニPBだけでも硬度に大きな差がある 硬度17〜140mg/Lと、同じコンビニ棚に並んでいてもミネラル量は8倍超の差があります。「硬水・軟水を選びたい」と思ったら、PB天然水だけでも十分な選択肢があります。
2. 津南とセブンプレミアムは同じ「超軟水」でも採水地が違う どちらもMIZUNOMOの分類では超軟水(硬度40mg/L以下)ですが、採水地は新潟県と長野県で異なります。Ca・Mgの含有量もセブンプレミアム長野のほうが約2倍多く、成分プロファイルは異なります。
3. 霧島の天然水は「ミネラルが気になる人向け」 硬度140mg/Lの霧島の天然水は、MIZUNOMOの分類では中硬水にあたります(WHOの飲料水ガイドラインの分類では、120〜180mg/Lが「硬水」、180mg/L超が「非常に硬い水」)。ミネラルを多く含む水を探している方には、同じファミマの霧島の天然水という選択肢もあります。
どんな用途に「津南の天然水」が向いているか
日常の水分補給・料理・お茶
硬度17mg/Lの超軟水は「水の存在感が薄い」のが特徴です。くせのない味は、スープ・ご飯の炊飯・緑茶・紅茶・コーヒーなど日常のあらゆる用途に適しています。特に緑茶や煎茶は、軟水で入れると渋みの原因となるカテキンの溶出が穏やかになるといわれ、まろやかな味わいになりやすいとされています。
赤ちゃんのミルク調乳
ナトリウム3mg/L・カリウム1mg/Lと、含まれるミネラルの量が少ない水です。
粉ミルクの調乳について、FAO/WHO共同のガイドラインが定めているのは「70℃以上の湯で調製し、調乳後2時間以内に使用すること」と水源の選択(水道水、基準を満たす井戸水、乳児用調乳に推奨される市販の容器入り水)であり、硬度の数値基準は設けられていません。「軟水でなければならない」という公的な基準があるわけではない点は押さえておくとよいでしょう。調乳の詳細はかかりつけの小児科や粉ミルクメーカーの指示に従ってください。
MIZUNOMOのデータベースで探す
MIZUNOMOでは「津南の天然水」を含む85商品以上のペットボトル水の成分・硬度・採水地データを掲載しています。硬度の低い水をまとめて比較したい方は、軟水ランキングをご活用ください。
参考情報
- 農林水産省「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」
- 一般社団法人 全国清涼飲料連合会「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 株式会社クリアーウォーター津南「会社情報」
- 株式会社クリアーウォーター津南「品質への取り組み・FSSC22000」
- 国土交通省「水の郷百選」認定地域一覧(新潟県・津南町)
- WHO「Hardness in Drinking-water: Background document」(硬度の分類)
- WHO / FAO「Safe preparation, storage and handling of powdered infant formula: guidelines」(粉ミルクの調乳)
- MIZUNOMO 軟水ランキング(硬度の低い順)
監修・運営: 水野亮人(みずの りょうと)
プロフィール: iihito.jp ↗



