ダイドードリンコ「日本のおいしい天然水 白湯 北アルプス」9月28日発売——自販機専用ホット天然水と広がる「白湯カテゴリ」
※ 本記事で紹介する「ダイドー 日本のおいしい天然水 白湯 北アルプス」はホット販売専用の自動販売機商品です。現時点でMIZUNOMOのDBには未収録ですが、同商品の原水として使われる北アルプス産天然水の特徴を合わせて解説します。

ダイドードリンコ株式会社は2026年9月28日(月)、北アルプス産ナチュラルミネラルウォーターを使用したホット販売専用の白湯「ダイドー 日本のおいしい天然水 白湯 北アルプス」(275ml PET・希望小売価格130円税抜)を全国の自動販売機で発売しました。
ダイドードリンコは自動販売機専業メーカーとして国内に広い販売網を持ちますが、ペットボトル白湯カテゴリへの参入は今回が初めてです。パッケージには新ブランドロゴ「dydo」を採用し、北アルプスの山を模したアイコンとオレンジ・白のグラデーションで、温かいホット商品らしい温かみのある外観に仕上げています。
ペットボトル白湯市場の形成——アサヒが開いた新カテゴリ
白湯をペットボトルで自動販売機向けに販売するというカテゴリを確立したのはアサヒ飲料です。2022年10月に「アサヒ おいしい水 天然水 白湯」を発売すると、当初の見込みを大きく上回るヒット商品となりました。2022年10月の発売から2024年12月中旬までの累計出荷本数は3,200万本を達成しています(出典: アドバタイムズ 2024年12月)。
その後、2023年秋から通年販売に移行し、2024年には容量を340mlから475mlに増量してリニューアル。2024年1〜11月の販売実績は前年比169%と拡大を続けています。
アサヒ飲料の調査によると、白湯を日常的に飲む「サユナー」のうち半数以上が「5年前より白湯を飲む量や回数が増えた」と回答しており、ライフスタイルとしての白湯習慣が年齢・性別を問わず浸透しています。朝の水分補給、食後のリラックスタイム、夜のひと休みなど、飲むタイミングも多様化しています。
こうした市場の成長を受けて、自動販売機専業のダイドードリンコが同カテゴリへの参入を決めたのは、自販機の「ホット棚」における需要を自社ネットワークで取り込む戦略と読み取れます。
新商品の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | ダイドー 日本のおいしい天然水 白湯 北アルプス |
| 発売日 | 2026年9月28日(月) |
| 容量 | 275ml PET |
| 希望小売価格 | 130円(税抜) |
| 原水 | 北アルプス産ナチュラルミネラルウォーター |
| 販売チャネル | 自動販売機専用(ホット販売) |
| パッケージ | 新ブランドロゴ「dydo」採用、オレンジ×白グラデーション |
| メーカー | ダイドードリンコ株式会社 |
容量275mlはアサヒの通常版(475ml)と比べてひと口〜ふた口サイズ。自販機でさっと購入して飲みきれる量として設定されたと考えられます。

北アルプス産天然水の特徴——「まろやか」な軟水が白湯に向く理由
今回の商品に使用されているのは、北アルプス(長野・岐阜県境)で育まれたナチュラルミネラルウォーターです。ダイドードリンコが展開する「日本のおいしい天然水」ブランドの原水と同じ採水エリアで、スッキリとした透明感のある味わいを特徴としています。
北アルプスの地質と軟水
北アルプスは標高3,000m級の山々が連なる火成岩・変成岩帯です。標高の高い山頂域に降った雪解け水や雨水は、花崗岩や片麻岩からなる岩盤を長期間かけてゆっくりと浸透します。
石灰岩地帯ではカルシウムやマグネシウムが比較的溶け出しやすいのに対して、花崗岩・変成岩系の地層ではミネラルの溶出量が少なく抑えられます。そのため、北アルプス系の天然水は一般に硬度20〜50mg/L台の超軟水〜軟水に収まるものが多くなっています。
代表例を挙げると、サントリー天然水(北アルプス)は長野県の花崗岩層深部から採水した硬度38mg/L・pH7.1の超軟水です。カルシウム7.2mg/L・マグネシウム2.8mg/Lと、ミネラル含有量が低い軟水の典型的な組成を持っています。
軟水と白湯の相性
硬度が低い軟水は、カルシウムやマグネシウムの含有量が少ないぶん「水本来の風味」が前面に出やすいとされています。温めた白湯として飲む場合、ミネラル分が少ない軟水は後味がすっきりしていて飲みやすいと感じる人が多く、この口当たりの「まろやかさ」が商品名で強調されています。なお、硬水を温めると石けん様の風味が出ることがあるのもミネラル分(特にカルシウム)の影響とされていますが、軟水ではこの変化が起きにくいため、温かい状態で飲んでもクセが出にくい点が特徴です。
ダイドードリンコの水ブランドを知る
ダイドードリンコはこれまでにも天然水・ミネラルウォーター市場に参入していました。代表製品の「miu おいしい水」は、高知県室戸沖・水深374mから汲み上げた海洋深層水由来のミネラルを純水に添加した製品で、北アルプスの天然水とは原水の性質が全く異なります。
「miu」が深海ミネラル由来の独自の風味を追求する一方、「日本のおいしい天然水 白湯 北アルプス」は山岳地帯の軟水をシンプルに温めて楽しむコンセプトです。同じメーカーから性格の異なる水ブランドが並立しているのは、それぞれ異なる顧客層・飲用シーンを狙った戦略の表れと言えます。
自販機「ホット棚」の変化——無味・無添加ホット飲料の可能性
自動販売機のホット棚はこれまで、コーヒー・緑茶・ミルクティー・コーンスープといった「味のある飲み物」が主流でした。2022年のアサヒ白湯登場は「無添加・無味・天然水」という全く新しい切り口でホット棚に入り込み、既存品にない需要を掘り起こした点が画期的でした。
カフェイン含有量を気にする人、甘い飲み物を控えたい人、食後に「ただのお湯」を飲む習慣を自販機でも継続したい人——これまで自販機のホット棚で選択肢が限られていた層に訴求しています。
ダイドードリンコの参入によって、競合商品が増えた結果としてこのカテゴリ自体の認知が広まる可能性があります。競合により選択肢が生まれることで、消費者が「自販機で白湯を買える」という認識をより持ちやすくなるためです。
まとめ:今後の自販機白湯市場に注目
2022年のアサヒ飲料の先行から4年、ペットボトル白湯は自動販売機の一カテゴリとして定着しつつあります。今回のダイドードリンコの参入は、同カテゴリが「単独ヒット商品」から「市場として認知されるカテゴリ」へと移行しつつある象徴的な動きと見られます。
白湯の原水となる天然水の成分・採水地に興味が湧いたら、MIZUNOMOのデータベースで各地の天然水硬度・成分データを比較してみてください。
参考情報
監修・運営: 水野亮人(みずの りょうと)
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