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「ラベルレス天然水」が2027年にもコンビニ店頭解禁——経産省の省令改正と5年で15倍に拡大した「包装革命」の全貌

MIZUNOMO編集部公開 2026年5月22日読了時間 4

ラベルのない水が、コンビニの棚に並ぶ日が近づいている。

経済産業省は2026年4月、ラベルなしペットボトル飲料を現在の箱売り(ケース販売)だけでなく、店頭での1本単位のばら売りにも拡大することを可能にする省令改正の検討を明らかにした。早ければ2027年にも実現する見込みで、日本のミネラルウォーター市場を大きく変える可能性がある。

ペットボトル天然水のエコ・環境配慮型パッケージのイメージ

なぜ「ラベルなし」は今まで店頭で売れなかったのか

現行の資源有効利用促進法では、ペットボトル飲料のラベルにPET識別マーク(「PET」の文字)を表示することが義務づけられている。この規定が壁となり、ラベルのないペットボトルは店頭での単品販売が事実上できなかった。

販売できる形態はEC(通販)での箱ごと購入(ケース販売)のみに限られてきた。そのため、ラベルレス商品は「まとめ買い派」や法人需要が中心で、コンビニで気軽に1本だけ手に取ることはできない仕組みになっていた。

経産省が検討する省令改正の核心は、ボトル底面や側面の刻印(凸版印刷)でPET識別マークの表示を代替できるようにすることだ。ラベルがなくても、ボトル本体に直接「PET」の刻印があれば分別回収に必要な情報は揃う。コカ・コーラシステムは特定の自動販売機でラベルレスの実証実験を実施し、消費者が「通常のラベル付き商品と同等の商品情報を認識できた」というアンケート結果を得ており、この実績が省令改正の下地になっている。

2018年から始まった「包装革命」——5年で15倍の急拡大

ラベルレスペットボトルの歴史は意外と浅い。2018年、アサヒ飲料が日本で初めてラベルなしのケース販売専用商品を発売したことが起点だ。当初は環境好きの一部消費者向けだったが、2020年のコロナ禍による巣ごもり需要でEC購入が急増し、ラベルレス市場は5年で約15倍に拡大した。

消費者の意識変化も顕著だ。調査では57.4%の消費者が「ペットボトルのラベルは不要」と回答しており、分別のしやすさと環境配慮の観点から支持が広がっている。現在、主要ブランドが軒並みラベルレス版を展開している。

ブランドラベルレス商品の状況
サントリー天然水550ml・2L(EC専用)
い・ろ・は・す天然水555ml(EC専用)
キリン 自然が磨いた天然水600ml・2L(EC専用)
アサヒ おいしい水 天然水600ml・2L(EC専用)
伊藤園 日本の水2L(EC専用)

コンビニや店頭に並ぶペットボトル飲料の売り場のイメージ

環境へのインパクト——「目に見えない削減」の本質

ラベルレス化の環境メリットは見た目以上に大きい。ラベルは一般的にポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックフィルムで作られており、ラベルレス化すればこの分が丸ごとカットされる。さらに大きな効果がリサイクル工程にある。

ラベル付きボトルはリサイクル時にラベルを剥がす選別工程が必要だが、ラベルレスボトルはその工程がなくリサイクルの効率と再生素材の品質が向上する。当サイトが先日報じた「ボトルtoボトル」比率(2023年度で33.7%)を引き上げる要因としても注目されており、2030年に各社が掲げる50%目標の実現を後押しする技術的な鍵の一つといえる。

店頭での分別回収ボックスとの連携も進む。コンビニの店頭にラベルレスボトルが並べば、飲み終えたその場でスムーズにPETとして投入できる流れが生まれ、回収率のさらなる底上げにつながる。

「何を飲んでいるかわかるの?」への答え

「ラベルがなければ商品がわからない」という疑問は自然だ。しかし現実には、各社がボトル形状で差別化を図っている。サントリー天然水の独特な曲線、い・ろ・は・すの「たたんで捨てやすい」軽量ボトル、キリン自然が磨いた天然水の細身のフォルム——慣れた消費者には形状だけで判別できるようになっている。

自然が磨いた天然水

✨ この記事で紹介

自然が磨いた天然水

キリンビバレッジ

軟水硬度 53mg/LpH 6.9

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加えて、QRコードをボトル本体に直接印刷して商品情報にアクセスする技術も検討が進んでおり、「デジタルラベル」が物理的なラベルを補完する未来も近い。

MIZUNOMOのデータベースでは、ブランド名ではなく硬度・pH・ミネラル成分という「中身のデータ」で48種類以上の水を比較できる。ラベルが変わっても採水地や成分は変わらない。外見にとらわれず水の本質で選ぶ時代が、規制改正とともにやってくる。

ラベルレスのペットボトルとリサイクルをイメージしたエコな景色

2027年は「ラベルレス元年」となるか

経産省の省令改正が2027年に実現すれば、日本のペットボトル水の購買体験は根本的に変わる。コンビニでラベルのない透明なボトルが棚に並び、QRコードをかざして成分を確認し、分別の心配なくそのままリサイクルへ——そんな「水の新しい日常」が、もうすぐそこまで来ている。


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監修・運営: 水野亮人(みずの りょうと)

プロフィール: iihito.jp ↗

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