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ロッテ「THE DAY」缶入り天然水が5月5日コンビニデビュー!南アルプス大井川水系・硬度67と「缶容器の科学」

MIZUNOMO編集部公開 2026年5月8日更新 2026年7月22日読了時間 4

ロッテ THE DAY 缶入りナチュラルミネラルウォーター ペットボトルと異なるアルミ缶の水

※ ロッテ「THE DAY」はアルミ缶入り天然水のため、MIZUNOMO(ペットボトル水比較)のデータベース対象外です。本記事はニュースとしての紹介となります。商品の購入はセブン-イレブン等でご確認ください。

2026年5月5日、ミネラルウォーター市場に意外なプレイヤーが登場しました。ガーナチョコレートやコアラのマーチでおなじみの菓子メーカー・ロッテが、アルミ缶入り天然水「THE DAY〈ナチュラルミネラルウォーター〉」を首都圏のセブン-イレブン全店に投入したのです。原材料名は「水(鉱水)」のみ——しかし従来の天然水とは全く異なる切り口で、5,000億円超に成長した国内ミネラルウォーター市場に挑んでいます。

「THE DAY」とは何か——ロッテが描く「気持ちアガル水」

「THE DAY」は2025年9月16日、ロッテがウェルネス事業強化の一環として立ち上げた飲料ブランドです。コンセプトは「気持ちアガル水」——ラッパー・TaiTanがクリエイティブを担当し、赤と黒の強烈なコントラストを持つアルミ缶パッケージで市場に登場しました。

最大の特徴は、水の売り場に「並ばない」という戦略です。コンビニエンスストアでは従来の飲料水棚ではなく、エナジードリンク棚への陳列を志向し、「水はおとなしいペットボトルで静かに並ぶもの」という固定観念を意図的に崩しにきました。

ラインアップは2品です。

  • THE DAY〈ナチュラルミネラルウォーター〉 480ml缶 硬度67の軟水
  • THE DAY〈スパークリングウォーター〉 500ml缶 同源泉に強炭酸を封入

先行販売はドン・キホーテ・Amazon・TikTok Shopの3チャネルでしたが、2026年5月5日のセブン-イレブン上陸によって、本格的な全国コンビニ展開へと踏み出しました。

採水地の科学——南アルプス・大井川水系が生む硬度67の秘密

南アルプス大井川水系の採水地 伏流水の自然風景

「THE DAY」が選んだ水源は、静岡県を流れる大井川の伏流水です。大井川は標高3,120mの赤石岳を最高峰とする南アルプス赤石山脈を水源に持ち、全長約168kmにわたって静岡平野へと流れ下ります。

「伏流水」とはどんな水か

伏流水とは、川床や河畔の砂礫層に浸透した地下水のことです。表流水(川の表面を流れる水)とは異なり、砂礫層を通過する過程で自然にろ過されます。結果として濁りが極めて少なく、季節による水質変動も小さいという特性を持ちます。

大井川流域の河床は厚い砂礫層で形成されており、南アルプスから流れ込んだミネラルを含む水が豊富に蓄えられています。急峻な山地では岩石が物理的に細かく砕かれやすく、ミネラルが水に適度に溶出しやすい環境が整っています。

硬度67が意味すること

「THE DAY」ナチュラルミネラルウォーターの硬度は67mg/Lです。硬度はカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)の濃度を炭酸カルシウム換算で示した数値で、WHO基準では120mg/L未満が軟水に分類されます。硬度67は飲みやすい軟水の範疇に収まります。

同じ南アルプスを水源とする天然水でも、採水地によって硬度は大きく異なります。

採水地硬度(mg/L)主な地質
サントリー天然水(南アルプス)約30甲斐駒ヶ岳周辺の花崗岩
THE DAY(大井川水系)67赤石山脈の砂礫・礫岩層
い・ろ・は・す(各採水地平均)27〜71各地の花崗岩・堆積岩

同じ「南アルプス系」でも、採水地の標高・地層・浸透時間の差が、最終的な硬度の差となって現れます。硬度67は、キリッとした飲み口を感じながらも、日本人が飲み慣れた軟水のまろやかさを保つ、汎用性の高い数値です。

なぜ「缶」なのか——北米発・プレミアム缶水の科学と戦略

コンビニに並ぶ缶飲料と新しい水市場の景色

ロッテが缶容器を選んだ背景には、北米で急拡大している「プレミアム缶水ブーム」があります。

アメリカでは2019年、「Liquid Death」というブランドがアルミ缶入りミネラルウォーターを発売。パンクでエッジの立ったブランドイメージと、「山の水を缶で飲む」という新しい体験価値で爆発的に成長しました。エナジードリンクのような棚に置かれ、SNSで広まる——ペットボトル水とは全く別の価値軸でZ世代を獲得しています。

ロッテの「THE DAY」は、この潮流を日本流にアレンジした先駆けです。

アルミ缶が持つ品質科学的なメリット

感性的なブランド差別化だけでなく、アルミ缶にはペットボトルにはない科学的な優位性があります。

  • 酸素透過がゼロ:PETボトルは構造上ごくわずかに酸素を透過します。アルミ缶はガスバリア性が完全で、長期的な水質変化が起きにくい
  • 光遮断性が完全:紫外線が水に届かないため、品質の光劣化を防ぐ
  • 冷却効率が高い:アルミの熱伝導率(236 W/m·K)はPETの約1,500倍。「キンキンに冷える」体験は物理的な必然
  • リサイクル適性:アルミは理論上無限に再利用できる素材で、日本のアルミ缶リサイクル率は約95%と高い水準にある

「キンキンに冷やして飲む」という体験が際立つのは、アルミ缶だからこそ実現できる物理特性です。

「菓子の巨人」の参入が示す——ミネラルウォーター市場の次の章

ロッテは100年以上の歴史を持つ菓子・乳業の大企業です。その同社がミネラルウォーター市場に参入した意味は、単なる新商品投入を超えた示唆を持ちます。

国内ミネラルウォーター市場は2025年に金額ベースで史上初の5,057億円を達成。数量は伸び悩む一方、高付加価値製品へのシフトが続いています。2025〜2026年に相次いで登場した機能性ウォーター(サントリー「特水」・「ロコモアWATER」、アサヒ「からだ澄む水」)は「成分で差別化」する方向性でした。

「THE DAY」のアプローチはその逆——成分ではなくデザインと体験で差別化するという戦略です。原材料名が「水」だけであるにもかかわらず、容器・色彩・置き場所・クリエイターの起用によって、全く新しい水のブランドを作ろうとしています。

「水に何かを加えること」が価値だった時代から、「水をどんな体験で届けるか」が問われる時代への転換——ロッテの参入はその兆候を象徴しているかもしれません。

MIZUNOMOで南アルプス系天然水を比べてみる

MIZUNOMOのデータベースには、南アルプスを水源とする複数の天然水が掲載されており、採水地の標高・地層の違いが硬度やミネラルバランスにどう影響するかを科学的に比較できます。「THE DAY」は現在データベース非掲載ですが、同じ山系から湧く水の違いを知ることが、自分の一本を選ぶ解像度を高めます。


参考リンク

監修・運営: 水野亮人(みずの りょうと)

プロフィール: iihito.jp ↗

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