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「マグネシウム50mg/本」——高知・室戸374mの海洋深層水が届けるスポーツ水の科学と「こむら返り」を防ぐミネラルの正体

MIZUNOMO編集部公開 2026年5月11日更新 2026年7月16日読了時間 4

健康・水分補給とマグネシウムをサポートするミネラルウォーターのイメージ

スポーツミネラルMGウォーターLIGHT

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スポーツミネラルMGウォーターLIGHT

赤穂化成

硬水硬度 411mg/LpH 7

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2026年5月8日、赤穂化成株式会社が「スポーツミネラルMGウォーターLIGHT」を全国発売しました。高知県室戸市沖の水深374mから汲み上げた海洋深層水を原料に、マグネシウム(Mg)を1本500mlあたり50mg配合した、飲みやすさを追求した機能性ウォーターです。

発売タイミングは5月——運動量が増え、気温とともに発汗も増すこの時期に合わせた戦略は明確です。ところで、なぜ「山」ではなく「海」から採った水にマグネシウムが豊富なのでしょうか。そして、マグネシウムは具体的にどのように筋肉を守るのか。この記事では、海洋深層水という独特な水資源の科学と、スポーツ市場が急速に注目するマグネシウムの健康メカニズムを徹底解説します。

海洋深層水とは何か——天然山岳水との根本的な違い

日本の代表的なミネラルウォーターは、南アルプス・富士山・阿蘇など山岳地帯の湧水や伏流水を原料としています。雨水が地層を数年〜数十年かけて通過する過程でミネラルを吸収し、地下から湧き出す水です。日本の地質は花崗岩などの火成岩が多く、水と岩の接触時間が短いため、硬度は概ね20〜80mg/Lの「軟水」に仕上がります。

一方、海洋深層水(Ocean Deep Water) は海水面から水深200m以上の深さに存在する海水を指します。太陽光が届かないため植物プランクトンが生育せず、有機物が極めて少ないという特徴があります。深層の海水は1,000年以上かけて世界中の海を循環する「深層大循環(熱塩循環)」によって形成されており、温度は一年中10℃以下に安定しています。

最大の違いはミネラル濃度です。海水中のマグネシウム濃度は表層でも約1,300mg/Lにのぼります。日本の代表的な山岳天然水(サントリー南アルプス天然水:Mg約1.3mg/L)と比較すると、実に1,000倍以上の差があります。

海洋深層水はこの豊富なマグネシウムを保ちながら、脱塩処理によって塩分(塩化ナトリウム)を除去し、飲料に適した水へと加工されます。

比較項目山岳天然水(南アルプス系)海洋深層水(室戸)
採取場所山の伏流水・湧水海洋水深374m
マグネシウム(原水)0.5〜10mg/L約1,300mg/L
細菌数濾過後に低減極めて低い(光が届かない)
水温地層・季節により変動年間ほぼ10℃以下で安定
特徴的な味まろやかな軟水製品化後は苦みを抑えた設計

室戸はなぜ「海洋深層水の聖地」なのか——水深374mが持つ条件

スポーツと夏の水分補給のイメージ

高知県室戸市は、日本で最も早く商業的な海洋深層水採取が始まった場所として知られています。室戸岬沖は、海岸から比較的近い距離で急激に水深が深くなる「急深海底地形」を持ちます。この地形的優位性により、水深374mの深層水を陸上パイプで直接引き込む設備が1990年代から整備されました。

赤穂化成をはじめ複数の企業が室戸の深層水を使う理由は、太平洋深層水としての水質安定性にあります。水深200m以下では光合成が行われないため、表層で問題となる藻類や有機汚染物質がほとんど存在せず、ミネラル組成が非常に安定しています。

また、室戸岬沖は黒潮が直接流れ込む位置にあり、世界規模の深層循環水(南極底層水に起源を持つ水)が流入します。この水は数百年〜千年単位で世界の海を旅した後、太平洋の底層に蓄積されたものです。深層の水がこれほど清浄で安定しているのは、その長い旅路の中でバクテリアが有機物を分解し尽くしているためです。

スポーツミネラルMGウォーターLIGHT(500ml)の主要成分:

  • マグネシウム:50mg(通常版MGウォーターの3分の1)
  • カリウム:13〜32mg(ロットにより変動)
  • カルシウム:0〜0.5mg
  • 食塩相当量:0.015〜0.065g
  • 熱量:0kcal

「弛緩のミネラル」——マグネシウムが筋肉を守る科学的メカニズム

マグネシウムが「スポーツと相性がいい」と言われる根拠は、筋肉の収縮・弛緩サイクルにあります。

筋肉が動く仕組みは一言で言えば「カルシウムで縮み、マグネシウムで緩む」です。筋繊維の中でカルシウムイオン(Ca²⁺)が増えると、アクチンとミオシンというタンパク質が結合して筋肉が収縮します。このとき、マグネシウムイオン(Mg²⁺)はカルシウムと拮抗(拮抗的に働く)し、筋繊維を弛緩状態に戻す役割を担います。

マグネシウムが不足すると、この「緩める」プロセスがうまく機能せず、筋肉が収縮したまま戻れなくなります。これが俗にいうこむら返り(筋痙攣)の一因です。特に夏の運動後や早朝に起こる「ふくらはぎのつり」は、発汗によるマグネシウム損失と密接に関係しているとされています。

さらに、マグネシウムはエネルギー代謝の要でもあります。細胞でATP(アデノシン三リン酸)を産生する酵素反応には、マグネシウムが補酵素(Mg-ATPという形)として必要です。不足するとエネルギー産生効率が低下し、疲れやすくなる可能性があります。

赤穂化成が2023年に発表した自社研究では、マグネシウム補給によるATP産生の促進と、筋肉形成への好影響が確認されており、スポーツ栄養の分野でも注目されています。

なお、コクラン・レビュー(2020年)では「足のけいれんに対するマグネシウムの有効性は、高齢者や妊婦では明確なエビデンスが示されなかった」と慎重な結論を出しており、すべての筋痙攣をMg不足だけで説明することには限界があります。一方、発汗によってマグネシウムが実際に失われる(汗1Lあたり約4〜6mgのMgが含まれる)という事実は確かであり、高強度運動をする人ほど補給の意義は大きいと考えられます。

日本人のマグネシウム摂取事情——8割が推奨量に届いていない現実

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、マグネシウムの推定平均必要量は次の通りです。

  • 成人男性(18〜64歳):280mg/日
  • 成人女性(18〜64歳):230mg/日

推奨量(これを目標とすべき量)はさらに高く、男性370mg/日・女性320mg/日です。しかし実際の平均摂取量は約230〜260mg/日にとどまるとされており、多くの成人が推奨量を下回っています。

背景には精白米や加工食品の消費増加があります。マグネシウムを豊富に含む食品は玄米・大豆・ナッツ・海藻・緑葉野菜などですが、現代の食生活ではこれらの摂取が減りがちです。精製・加工の過程でマグネシウムが失われることも一因で、たとえば玄米(Mg:49mg/100g)を白米に精白するとMgは約6分の1(8mg/100g)になります。

「慢性的なMg不足」という文脈で、マグネシウムを手軽に補給できる機能性ウォーターへの需要が高まっています。スポーツミネラルMGウォーターLIGHTは1本(500ml)で栄養素等表示基準値(1日340mg)の約15%にあたる50mgを摂取できる栄養機能食品として認定されています。

なぜ「LIGHT」版が生まれたのか——「飲みやすさ」が継続のカギ

赤穂化成はこれ以前から「スポーツミネラルMGウォーター(通常版)」を販売しており、1本500mlあたりマグネシウムを150mg配合していました。

しかしマグネシウムは、硫酸マグネシウムや塩化マグネシウムとして水に溶け込んでいるため、濃度が高くなると独特の苦みやえぐみが生じます。コントレックス(フランス産硬水、硬度1,468mg/L、Mg:74.5mg/L)が「飲みにくい」と感じる人が多いのも同じ理由です。

マグネシウムを含むスポーツ向けミネラルウォーターのボトルイメージ

LIGHT版では濃度を3分の1に抑えることで「毎日継続して飲める」ことを優先しました。1本50mgなら通常の軟水に近い飲み口を保ちながら、日々の習慣として積み重ねることができます。「1回の大量補給より、継続的な適量補給」という設計思想は、医療の世界で重視されるアドヒアランス(服薬継続率)の考え方とも共鳴します。

1本を毎日飲めば1か月で50mg×30本=1,500mgのマグネシウムを食事以外から補給できる計算です。

MIZUNOMOデータで見るマグネシウムの差

MIZUNOMOが収録する40種以上のミネラルウォーターを比較すると、マグネシウム含有量の差は数十〜数百倍にも及びます。

  • サントリー天然水(南アルプス):Mg約1.3mg/L
  • い・ろ・は・す(各採水地平均):Mg約1.4mg/L
  • コントレックス(フランス):Mg約74.5mg/L
  • スポーツミネラルMGウォーターLIGHT:Mg約100mg/L(50mg/500ml)

コントレックス

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コントレックス

ネスレ

超硬水硬度 1468mg/LpH 7.4

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サントリー天然水(南アルプス)

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サントリー天然水(南アルプス)

サントリー

超軟水硬度 30mg/LpH 7.1

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日本の軟水中心のラインナップの中で、海洋深層水由来のMg強化水は完全に別カテゴリに位置します。「普段飲みは軟水、スポーツ後の補給はMg水」と使い分ける戦略も一つの選択肢です。


今年の夏は気象庁の予報でも高温が続く見込みです。発汗量が増える季節を前に、ミネラル補給の「入口の水」として、海洋深層水由来のマグネシウム水を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。MIZUNOMOでは各商品の成分データを詳しく掲載していますので、ぜひ比較の参考にしてください。

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監修・運営: 水野亮人(みずの りょうと)

プロフィール: iihito.jp ↗

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