「水が味気なくて続かない」への答え——アサヒ飲料が2026年春夏に投入した天然水フレーバー新商品2品の全容
※ 本記事で紹介する「アサヒ おいしい水 天然水 レモン水 無糖」および「アサヒ おいしい水 天然水 ソルティグレフル」は、フレーバー・食品添加物が加えられた清涼飲料水のため、MIZUNOMOのDB対象外です。記事末尾では、MIZUNOMOに収録されているアサヒ飲料の天然水商品を紹介しています。

ペットボトル水は今や日本の飲料市場に欠かせない存在だ。だが「味気なくて毎日は続かない」という消費者の声は根強い。アサヒ飲料は2026年春夏、天然水ブランド「アサヒ おいしい水」から風味と成分を加えた新商品2品を相次いで投入し、「水を飲む習慣化」という業界の課題に正面から向き合った。
「5人に1人の子どもが水を苦手」——意識調査が示す市場の課題
アサヒ飲料が2026年3月12〜16日に実施した水分補給に関する意識調査(20〜50代の子どもを持つ男女200人対象)によると、自分の子どもが水の飲用を苦手としていると回答した人は約20.7%と、5人に1人に達した。また「天然の味わいや風味のある無糖飲料があれば水分補給がしやすくなる」と答えた人は約60%で、水が苦手な人に限ると約70%が同意した。
大人の飲用実態も同様だ。同社の調査では、水を習慣的に飲み続けられない理由として「味気なくて続かない」という声が最も多く、「健康のためと分かっていても習慣にならない」が続く。こうした消費者の声を踏まえて同社が描いたのが、「無色透明の水」に風味や機能性成分を加えながらも、加糖飲料とは一線を画す"新しい水"の提案だ。
商品1:アサヒ おいしい水 天然水 レモン水 無糖(2026年4月14日発売)

最初に市場に投入されたのが「アサヒ おいしい水 天然水 レモン水 無糖」(PET600ml・希望小売価格165円税別)だ。
深い地層でゆっくりろ過された天然水をベースに、レモン果汁(1%)とレモンエキスを加えた清涼飲料水で、「まるで天然水にレモンを浸したような爽やかな口当たり」を訴求している。糖類は0gで、カテゴリーとして「無糖果実水」に位置づけられている。
主な栄養成分(100mlあたり)は食物繊維0.2〜0.5g・カリウム35mg・食塩相当量0.02g。シトルリン、グルコン酸カリウム、ナイアシン、ビタミンB6も配合されている。価格帯は通常のプレーン天然水(500ml・120〜130円前後)よりやや高く設定されており、機能性と飲みやすさを加えた付加価値を価格に転換するポジショニングだ。
同社はこの商品を「水ビギナーが水を飲む習慣化の最初の一歩になる商品」と位置づけており、加糖の清涼飲料水から水へ移行したいが味気なさが壁になっている層をメインターゲットとしている。
商品2:アサヒ おいしい水 天然水 ソルティグレフル(2026年5月19日発売)
続いて5月19日に登場したのが「アサヒ おいしい水 天然水 ソルティグレフル」(PET600ml・希望小売価格189円税込)だ。
天然水に食塩、グレープフルーツ果汁、ビタミンCを加えた夏向けの清涼飲料水で、「すっきりとした甘酸っぱさ」が特長。食塩相当量は100mlあたり0.11gと、スポーツドリンクほどではないが一定量の塩分を含む。なお、果糖ぶどう糖液糖も原材料に含まれており、商品名に「無糖」の表記はない点はレモン水と異なる。
主な原材料はナチュラルミネラルウォーター(深井戸水)、果糖ぶどう糖液糖、グレープフルーツ果汁、食塩、香料、ビタミンC、マリーゴールド色素。
アサヒ飲料は同商品を猛暑が続く夏のシーズナル需要に向けて投入しており、電解質補給と飲みやすさを組み合わせた「天然水ブランドらしい夏の飲料」として選ばれることを目指している。
なぜ今、天然水ブランドがフレーバーに踏み込むのか
「アサヒ おいしい水」という天然水の看板ブランドからフレーバー入り商品を展開する背景には、ミネラルウォーター市場全体の構造変化がある。
一般社団法人日本ミネラルウォーター協会が2026年3月に発表した最新統計によると、2025年の国内ミネラルウォーター類の販売金額は5,057億円(前年比103.1%)と過去最高を更新した。一方で生産量は前年比96.7%と6年ぶりに減少。「数量は減っているのに金額は過去最高」という市場の二極化が鮮明になっている。
この構造は「1本の付加価値をどう高めるか」という競争の激化を示す。採水地・硬度・ミネラル成分で差別化してきた従来の天然水に、「飲みやすさ」「機能性」「季節性」という新たな軸を加えることで、より広い消費者層にリーチする動きは他社にも広がっている。
| 商品名 | 発売日 | 容量 | 価格(税別) | ベース |
|---|---|---|---|---|
| アサヒ おいしい水 天然水 レモン水 無糖 | 2026年4月14日 | 600ml | 165円 | 天然水+レモン果汁1%+食物繊維 |
| アサヒ おいしい水 天然水 ソルティグレフル | 2026年5月19日 | 600ml | 172円 | 天然水+グレープフルーツ果汁+食塩+ビタミンC |
なお、2商品ともフレーバー・添加物が加えられているため、MIZUNOMOのデータベース(無味のペットボトル水のみ収録)には登録されていない。
「無味の天然水」との使い分けを考える
「水そのものを楽しみたい」「採水地の成分をそのまま摂りたい」という目的には、プレーンな天然水が選ばれる。アサヒ飲料が展開するプレーンな天然水のうち、MIZUNOMOに収録されているのは次の2商品だ。
アサヒ おいしい水 天然水(六甲山系採水・硬度40mg/L・pH7.0)——国内有数の天然水ブランドとして定評があり、料理・コーヒー抽出・そのままの飲用と幅広い用途で支持される軟水だ。
アサヒ おいしい水 天然水(富士山採水・硬度30mg/L・pH6.8)——超軟水に分類される国内有数の軟水で、素直な口当たりが特長。
フレーバー入りの新商品か、採水地の素の味を楽しむプレーンな天然水か——目的やシーンに応じて使い分けるのが現実的な選択肢だろう。
まとめ:「水」の定義が広がる2026年夏
アサヒ飲料の2026年春夏施策は、日本の天然水ブランドが「水」の定義を広げ始めた動きとして注目に値する。無糖(または低糖)・無炭酸・天然水ベースという共通点を持ちながら果汁・塩・機能性成分を加えた商品は、ミネラルウォーターでもスポーツドリンクでもない新しい位置を占めようとしている。
市場全体でミネラルウォーターの「選ばれる理由」への探求が続くなか、MIZUNOMOでは今後も「無味のペットボトル水」に特化したデータ・NONDA記録の充実を続けていく。採水地・硬度・ミネラルにこだわって水を選びたい方は、ぜひ水データベースで自分に合う一本を探してほしい。
参考情報
監修・運営: 水野亮人(みずの りょうと)
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